第62回全国自治体病院学会にて「60歳からの人生ゲーム」成果を学生が発表(2024年11月)
2024年11月1日、新潟県の朱鷺メッセ(新潟市)で開催された「第62回全国自治体病院学会」において、ジェロントロジー研究班(永野ゼミ6期生)は「60歳からの人生ゲーム」プロジェクトの成果を発表しました。本学会は、全国の自治体病院や医療関係者、行政職員、企業などが一堂に会し、地域医療の現状と未来について議論を交わす大規模な学術集会です。数百件におよぶ発表が並び、会場全体から熱気や活気が感じられる中、私たちは臨床医学分科会の一角に立ちました。
今回の参加は、数か月前の出張(新潟県十日町市)での出会いがきっかけです。十日町病院にて「60歳からの人生ゲーム」のデモプレイをした際、院内の先生から「現場でACP(アドバンス・ケア・プランニング)が浸透していないという悩みを抱える中で、目から鱗のツールだった」と高い評価をいただきました。その後、「ぜひ学会で発表を」とお声掛けいただき、出展に至りました。

学会当日は、全国から集まった医療従事者や研究者で会場が埋め尽くされました。ポスターセッション会場には無数の発表パネルが並び、活発な質疑が飛び交っていました。私たちのブースにも開始直後から多くの方が訪れ、「どうやってルールを作ったのか」「高齢者の反応はどうだったのか」など具体的な質問が相次ぎました。質疑応答は予定時間を大幅に超え、関心の高さを肌で感じる時間となりました。
また、発表後には新潟大学医学部の学生の方々が訪れてくださり、意見交換をした後、共同ワークショップの提案をいただき、その場で今後の連携について話し合いました。こうした新たなネットワークの誕生は、学会という場ならではの成果のひとつです。
本プロジェクトの社会的意義は、ACPを専門家だけでなく一般の方にも自分ごととして考えてもらえる点にあります。医療現場では「患者さんとご家族の意思を事前に共有できる重要な手段」「医師が説明しにくい話題を引き出せる」といった評価をいただいております。今回の学会参加により、全国の自治体病院や大学との接点が広がり、活動の裾野が一層拡大していけそうです。
学会への参加を通じて得られたネットワークを活かし、全国の医療機関や自治体との連携を深めていきます。特に新潟大学の医学生さんとの共同ワークショップは、学生間交流の場としても発展させる予定です。
文責:ジェロントロジー研究班6期生