カナダ・バンクーバーにて、防災・エリアマネジメント・民族に関する研究を実施(2025年7月)

 

2025年7月30日から8月5日にかけて、永野ゼミ震災復興エリアマネジメント班は、カナダのバンクーバーで「①山火事防災ワークショップ」「②バンクーバーのジャパンタウン調査と日系カナダ人のお祭りであるパウエル祭視察」「③万博での発表に向けたカナダの先住民の方々との意見交流」を実施しました。

私たちには、震災復興エリアマネジメント班の先輩方が築き上げてきたカナダとの繋がりがあります。エリマネ班はこれまで、エリアマネジメントの知見を活かした震災復興に取り組んできた経験をもとに、東日本大震災の復興支援に尽力したカナダと、主な支援先のひとつだったゆりあげ港朝市(宮城県名取市)との関係性を未来に繋げる活動に2022年から取り組んできました。そうした取り組みの中で、今度は復興支援のお返しに被災で得た学びや気づきをカナダへお返しできないかと、考えるようになったのです。

 

カナダ連邦政府などの支援により建設されたメープル館(宮城県名取市)

 

 

そこで、災害復興の観点からカナダに住む人々の防災意識を向上させることによって災害による被害を抑えることができないか模索することにしました(①)。また、私たちの強みであるエリアマネジメントの観点から、現地でも課題になっているカナダ・バンクーバーのジャパンタウン再生のため、今回の出張で現地を視察する運びとなったのです(②)。現地では、バンクーバーの先住民の方々ともお話しする機会をいただけることになり、大阪・関西万博での環境保全と防災を結びつけた持続可能な社会モデル提唱(③)に必要な「現地住民の声を聞き、社会モデルに取り入れる」という観点からも、今回のバンクーバー出張は非常に有意義なものになりました。

災害復興やエリアマネジメントの知見を活かして、これからの時代を生きる学生として社会や環境が抱える課題に真摯に向き合い、その解決に真剣に取り組むことが、私たちに課せられた大きな責任であると考えています。

 

参加者の防災意識向上を目的とした山火事版防災ワークショップの様子
実際に視察に向かったSquamishの山火事跡地

 

今回の出張では、計2回の山火事版防災ワークショップ、ジャパンタウン・パウエル祭の視察、ジャパンタウンに関するオーラルヒストリー調査、先住民の方々や日系カナダ人のコミュニティ支援を目的とした団体である隣組(となりぐみ)との意見交流、カナダのSquamishで起きた山火事跡地の視察、日系カナダ人やカナダの先住民に関する展示がされているNikkei National Museum & Curutual CentreMuseum of Vancouverの見学、かつて多くの日系カナダ人が労働していたスティーブストンの視察などを実施することができました。

 

ホームレスや薬物中毒者が集まるエリアとなっているジャパンタウンの様子(バンクーバー)

 

今回のバンクーバー出張で得た山火事版防災ワークショップの改善点、ジャパンタウンの過去と現状、先住民の方々の歴史と考えなどを、今後のワークショップの改良、ジャパンタウン再生、万博での持続可能な社会モデル提唱に活かしていきます。

 

 

文責:震災復興エリアマネジメント研究班7期生